映画:コリーニ事件

数年前、職場の近くの映画館でやっていたので見にいきました。

 

 

そして、なかなか衝撃的だった。

(AmazonPrimeに追加されたみたいなので書いてみました)

 

 

 

コリーニ事件(字幕版)

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  • エリアス・ムバレク
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私は田舎者で、同居していた父方の祖父は私と同じ時代に生まれていたら支援学級だったなと支援学級という存在を知った中学生のときに思うような人だったのですが、

 

 

 

もちろん、「久さん(祖父の呼び名)はね、、、」と言われていましたが、そこまで阻害されていたわけではありませんでした。私の世界の中でですけど。

 

 

 

それはなぜかというと、みんな似たり寄ったりだったからだと思います。

 

 

 

 

 

祖父の世代は戦争ど真ん中だったので、普通は男性だったら徴兵で戦争に行っていたのです。

(戦争の時、20代半ばだったと思います)

 

 

 

しかしながら、私の祖父は徴兵に合格しなかった(身体的にもあまり健康ではありませんでした)ので、幼い私の理解が正しければ、半分出稼ぎみたいな感覚で、義弟(妹の夫)と炭鉱か鉄道敷設かの手伝いに一応行って、数日でこれは無理といって逃げて帰ってきた口の人でした。

(でももちろん本人にとって大変な経験で、実際に大変だったと思うし[おそらく私にはできない]、幼い私に大変でろくに食事もできなかったと常々話してくれていて、私は今以上に賢くなかったので単純に「なんて大変だったんだ!かわいそうに!」とか思って聞いていたのですが、その話のあとはこっそり母が「おじいちゃんはああ言ってるけど、米は最後まで食べてるでしょ?おばあちゃんの方がもっと大変だったのよ。本人は言わないけど。米は食べてないし、なんなら食事もろくにしてない」と、しっかり嫁姑で仲が悪かったのに、何度も教えてくれたから、今の私があります。もちろん、その逃げて帰ってきた話は家以外ではするなと手厳しく言われていました[私じゃなくて祖父が])

 

 

 

 

というわけで、私の生まれ育った世界では、徴兵された人は大体犠牲になって、戦場に行ったことがあって帰ってきた人は知る限りおらず、いるのは合格しなかった人と女性と徴兵年齢に達しなかった人という感じだったんじゃないかなというのが私の妄想です。

 

 

 

 

 

 

 


でも、一度、小学校の高学年くらい(?)の時に戦場に行ったことがあって帰ってきた人(同級生の祖父)に話を聞く会が学校で催されて聞いたのですが、
当時すでに自分の祖父がそういう人だとなんとなく分かっていた気がしますけれども、「ああ、これなら私は自分の祖父が自分の祖父で本当によかった。誇らしい」と思った記憶があります。

 

 

 

 

 

 

 

話を聞いて、そういうことをしなければその人が生き残れなかったことはわかりましたし、その決断をしたその人はすごいと思いましたが、
私はその決断をしてそんな人間になるくらいなら、もっとその手前で逃げたい!祖父のように(私の祖父は意図的じゃないけど)と
思ったんですよね。

その人がいい人か悪い人かとかではなく、そんな決断迫られたくない!と。

 

 

 

 

 

だから、今思うと、もうそのときに私の人生の指針は決まっていたんですよね。

 

 

 

 

 

それを今更どうしようもないと。

 

 

 

 

いうわけなので、できることをして、生きていける世界で生きていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

私は自分の人生において、「戦争にだけは遭遇したくない。戦争が起きたら、起きていない国に家族だけは連れて逃げられる人間になりたい」と思って生きてきていたのですが、

コロナで、別に戦争だけがそうじゃないことに気付かされ、

また今、自分の生活圏が戦場になったり、自国が戦争することだけが自分自身にかかわる戦争じゃない(戦争が起きたら、戦争に関わらない国に逃げられれば戦争に関係せずにいられる、、、とはいかない)と、もちろん私が生きてきた間にたくさんの戦争があったことは知っていたのですが、やっと今、関係なくないと実感しているところです。

 

 

 

いい大人な年齢になっていることですし、向き合わなければならないなと思っています。

(できるかどうかは別ですが)